提出先ごとに必要な事実を分ける
保険会社は発生日、損失額、補償対象、軽減措置を、監査人は統制の設計と運用、顧客は自社への影響、継続策、再発防止を主に必要とします。すべてのログを一括送付すると、必要性のない個人情報や企業秘密まで渡します。
最初に社内だけで使う事実台帳を一つ作り、そこから提出先別の表示を生成します。結論を相手ごとに変えるのではなく、同じ事実のうち目的に必要な項目だけを選びます。
事実台帳をUTCと出所から作る
UTCの時系列、対象経路、AI Cost Circuit Breakerの対象内・対象外、推定額、請求額、制御判断、復旧試験、所有者を記録します。各事実にログ名、要求ID、取得時刻、取得者を付け、推測と確認済み事実を別欄にします。
原本との対応をハッシュで確認する
書き出したファイルには暗号学的ハッシュを計算し、原本の保存場所、作成者、作成時刻を索引へ載せます。ハッシュだけで内容の真実性が保証されるわけではありませんが、提出後にファイルが変わっていないか確認できます。
証拠索引で目的・提出先・期限を管理する
索引はファイル名の一覧ではなく、目的、情報区分、提出先、マスキング、保持期限、承認者まで管理します。生のプロンプトや会話が原因説明に不要なら収集せず、スクリーンショット内のメールやAPIキーも除去します。
費用数字はローカル推定と請求確定を分け、差異説明を添えます。『被害額』として一つにまとめる前に、追加請求、復旧工数、失注、返金など、根拠が異なる項目を別々に示します。
| 資料 | 保険 | 監査 | 顧客 | 保護措置 |
|---|---|---|---|---|
| UTC時系列 | 必要 | 必要 | 要約 | 個人識別子を除去 |
| 費用ブリッジ | 必要 | 必要 | 影響額のみ | 推定と請求を区別 |
| 制御設定・変更履歴 | 軽減策 | 必要 | 再発防止要約 | 秘密値を除去 |
| 復旧試験 | 必要 | 必要 | 結果 | テストデータのみ |
| 生ログ | 要求時のみ | 標本または原本管理 | 原則不要 | アクセス制限 |
| 原ファイルのhash | 添付 | 添付 | 通常不要 | 原本との対応 |
提出版ごとにマスキングを検証する
一度マスキングした版を全員へ使い回さず、各提出先の目的と守秘義務に応じて確認します。黒塗りがPDFの見た目だけで、コピーすると文字が残る事故を避けるため、実際にテキスト抽出して除去を検証します。
承認・送信・版番号を記録する
提出前に事故責任者、法務・プライバシー、情報所有者が索引へ承認します。外部送信の日時、宛先、方法、版番号を記録し、更新版を出した場合は旧版との差を説明します。
保存期限と削除確認まで案件を持つ
保険請求、契約、会計、法令上必要な期間を確認し、それ以外の作業コピーには削除日を設定します。事故だから無期限保存するのではなく、目的が終わった資料を削除または匿名化し、削除確認を索引へ追記します。
完了条件は資料を大量に集めたことではありません。提出された結論が最小の証拠で追跡でき、原本の出所と改変確認があり、不要な個人情報を相手へ渡さず、保存終了まで責任者がいることです。
「AI費用事故の証拠を、保険・監査・顧客へ出し分ける最小パッケージ」の「インシデント証拠パッケージ索引」を、最初の実環境導入に使ってください。AI Cost Circuit Breakerを無料でダウンロードし、Monitoringから始め、期待するシグナルと戻し方を確認してから制御を有効にしましょう。